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【サークルオー先生紹介Vol.3】 当事者としての自分の経験こそが、子ども達にとってかけがえのない価値に!
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【サークルオー先生紹介Vol.3】 当事者としての自分の経験こそが、子ども達にとってかけがえのない価値に!

 インタビューの前に…『サークルオー』とは?

『サークルオー』とは、耳の聞こえない、聞こえにくい子どもたちへ学びを広げ、深めるオンライン対話型の授業です。先生は、学校の先生、弁護士、海外在住、スポーツ選手などさまざまなジャンルで活躍する方が在籍しています。お子さまのコミュニケーション手段・学習言語・文化・聴力等といったろう・難聴児における多様性の重点項目を考慮した“授業”を提供しています。前回に引き続き、働く熱き想いを持ったサークルオーの先生をインタビューします。

『サークルオー』先生募集!

現在、『サークルオー』の生徒登録人数は70名。一緒に仲間になって子どもたちの可能性を広げてくださる先生を募集中です!

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本日ご紹介する先生《いなんちょー先生》

写真:理数系の生徒さんを担当している人気先生

いなんちょー先生(ろう者)プロフィール

☑︎経歴:前職はIT企業勤務(教育経験0)、現在はろう協会勤務
☑︎『サークルオー』開始年月日:2021年4月〜
☑︎担当教科:数学、物理
☑︎担当学年:高校3年生
☑︎授業頻度:週1~2時間
☑︎授業の流れ(50分間):今日のやること確認(最初は世間話も交えながら)→リクエストを聞く(約5分)→勉強の内容、学校の宿題、試験対策など→リクエストに沿って授業(50分)→ネットで探した問題や、参考書の問題や宿題の問題などを中心→次回の日程調整(5分)

【質問1】『サークルオー』を一言で表すと?

ろう・難聴の子ども達のパイプ的な存在だと思います。理由としては、手話での情報保障がない全国の子ども達のために、手話を通じて対話ができたり、ロールモデルをみることができるからです。ロールモデルの存在が、周りにない人でもサークルオーに来れば出会うことができます。私自身は、勉強だけじゃなく、手話の知識や人間関係…など”心を育てること”を取り入れながら生徒さんとお話しさせてもらっています。サークルオーは、子どもたちにとって、社会性を磨く場としても、とても良いプログラムだと思っております。

【質問2】『サークルオー』で働こうと思ったきっかけは?

前職IT企業で働いていたのですが、都合で退職しました。退職後、たまたま奥さんがサークルオーについて教えてくれ、「先生になってみては?」と提案してくれたのです。今まで、教育に関わっていたわけでなく、大学でもIT関係の勉強をしていました。教えることは学んでないのですが、勉強が好きだから教えられそう?と思いました。空いてる時間を使って働けるのがすごく良いなと思い、応募しました。

【質問3】授業をするにあたって大事にしていることは?

“丁寧に伝えること”と、“確認すること”を大事にしています。対面での授業だとできることが、オンラインだとできないこともあります。例えば、問題を解く過程が見えなかったり、今、問題を解き終わったかどうかをつかめなかったり…。細かく意思疎通ができているかを確認して、次のステップに進むということを大事にしています。それ以外にも、自分も忘れてる教科をこの指導を機に、もう一回思い出して、学習し直すことは、努力していることの一つです。

【質問4】『サークルオー』のやりがいは?

数学と物理を教えていますが、「分かるようになった!」という生徒さんの反応が嬉しいです。また、今担当しているのは、高校生なので、大学や将来を考えるタイミングです。自分の知識を活かして指導できる(持っている知識を提供できる)ことがやりがいです。ろう・難聴の大学生は実際少ないですし、情報も不足しています。進路を考える際に、困りますし、壁にぶつかると思うのです。その時に、自分自身の経験が生徒さんの参考になるのがすごく嬉しいです。彼らの背中を少しでもプッシュして、将来を明るく照らすことが、やりがいになっています。

【質問5】『サークルオー』を始めて、一番嬉しかった出来事は?

「成績が良くなった!テストの点があがった!」と聞くと、ホッとしますし、嬉しいです。

【質問6】『サークルオー』を通して身に付けたことは?

生徒さんが、何が分からないかを想像して、考えて、教える力が身に付いたと思います。ZOOM越しですと、対面授業に比べて、手元が見えないのでどうしても生徒さんの様子(解く手順や得意・不得意)を見ることが難しいのです。ですので、教えたことや学んだことをきちんと理解できているかどうか確認する為に、以前出した問題を復習という形で時々挟み込みます。一度教えて、「分かった」と生徒さんが言っていても、表面的な理解だけにとどまっていることも多いので、後日、もう一度解いてもらって、本当に理解できたかどうかを確認しています。“分かる”と“理解する”は別ものなので、生徒さんがいかに”理解”しているかを見極める力が付きました。今は、地元でろう協会で働いています。以前は、こちらで子どもに教えるタイミングもあったので、今後もそのような機会があれば、今まで身に付けた力を活かせるんじゃないかな?と思っています。あとは、今の高校生の受験事情が知れるのもいいですよね!

写真:計算式を共有画面で生徒さんに見せながら、生徒さんの”理解”を確認しながら進めるいなんちょー先生

【質問7】大変なことは?

自分自身の勉強の復習です。教えるためには、知識が必要です。特に、物理の範囲では、生徒さんの得意・苦手の分野が分かれているので、その辺りを私自身が復習する努力をしています。時間の余裕があるときはプリント作ることもありますが、一から作成すると労力がかかりますね。

【質問8】『サークルオー』はどんな印象?

面白そう!というイメージで飛び込みました。ろう・難聴の子ども達には、ロールモデルと出会うことが必要だと思っていたので、オンラインを通して、全国の子ども達とつながる仕組みが面白いです。今も、イメージ通り!ぜひ、他の先生の指導内容を見てみたいですね!定期的に行う授業参観があったらいいなあと思っています!

【質問9】今後の目標は?

数学の知識をしっかり身に付けて指導できるようにしたいです。

【質問10】『サークルオー』で働こうと思っている未来の先生たちにメッセージを!

ろう・難聴の子どもたちの未来に関わる仕事ができますよ!

最後に

いかがでしたでしょうか?いなんちょー先生がおっしゃってくださいましたように、当事者としてのご自身の経験は、必ずや子どもたちの成長の応援につながります。同時に、先生たち自身も、ご自身の成長になるとおっしゃってくださる方も多く、私たちも有り難く思っております。ぜひ皆さんも先生の仲間になりませんか?

次回は、手話通訳士のしおね先生をご紹介します。

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