【サークルオーお母さま取材】全国最下位から英検準二級合格。今では“もっと学びたい”へ

サークルオーは、2020年コロナ真っ只中にスタートしたオンライン教育事業です。

「マスクで口元が見えなくて、先生やお友達とのコミュニケーションしづらい。孤独感を感じる…」という声がたくさん届いた当時。全国のろう・難聴児向けの新しい学び・つながりの場がすぐにでも必要との想いから、始まりました。現在では個別授業、集団授業（不定期）の2つを提供しており、個別授業に関しては、事前にご相談し、先生とマッチングした上で個々に合わせた学習内容を提供しています！

「サークルオーは興味があるけど、始める前にどんなところかをもう少し知りたい」という声にお応えして、実際、個別授業を利用してくださっている親子、そして先生にインタビューをいたしました。2回連続記事になっており、今回は、お母さま✖️先生のインタビュー企画を、そして、次の記事で、高校3年生のりなさんのインタビューをご紹介いたします！

インタビューの前に〜こんな方にお話を伺いました〜

• ●インタビューを受けてくださった方：りなさん（生徒）、お母さま
• ●りなさんが通う学校：東京都立中央ろう学校（高等部）
• ※学校名掲載につきましては、ご本人・学校のご承諾済み
• ●学年：2023年4月〜高校3年生
• ●家族構成：聞こえるお父さんとお母さん、りなさんと2学年下の妹さん（姉妹共に両側重度難聴、人工内耳）
• ●サークルオーを始めた時期：2022年1月（高校1年生）
• ●サークルオーの先生：まゆみ先生（アメリカのろう学校の元先生）
• ●サークルオー受講内容：個別授業（英語を週に1度）
• ●将来の夢：食の開発のお仕事（そのためにも大学進学を目指す）
• ●最近チャレンジしたこと：英検準２級（合格！）
• ●これからチャレンジしたいこと：ASL（American Sign Language ／アメリカ手話）

高校で初めての手話環境。往復4時間の通学時間

▶︎サークルオーを始めた当時（高校1年生）の様子を教えていただいても良いでしょうか？

お母さま：「私は子どもが二人いて、どちらも人工内耳を付けています。長女のりなは、中学（私立日本聾話学校）卒業までは、口話教育のろう学校だったので、手話を使わず、口話のみで育ってきました。高校進学にあたっては、りなは、食に関する仕事につきたいという夢がありましたので、大学進学を見据えて高校選びをしました。

当時は、コロナ禍。みんながマスクをしていて、口の読み取りとアクリル板で聞き取りが難しくなり、授業で聞き返すことも大変になるだろうということで、積極的に、中央ろう学校を選びました。そのろう学校は、多少の文字サポートはありますが、口話教育ではない高校なので、基本手話で授業や友達との会話は進みます。今まで口話で暮らしてきた、りなにとっては、追いつくことに必死で、最初はとても苦労をしたと思います。」

▶︎サークルオー にご興味を持たれたきっかけはありますか？

お母さま：「手話が分からない状態からスタートした高校生活。授業は、文字だとノートに取ったりして留めておけますが、手話はどんどん流れていってしまう状態で、高校1年生の秋までいっぱいいっぱいになっていたように感じます。“今なんて言いましたか？”と聞き返すこともできなかったようです。そして、彼女自身、数学と英語に苦手意識があり、特に英語は、本当に苦手で…。中学1年生の頃、全国の統一模試で最下位をとったこともあるくらいなんです。当時は、単語のアルファベットの並びが全く頭に入ってこない状態でした。ですので、“手話と英語”をとにかく学校以外でもサポートしてくださるところを探していたのが、サークルオーに興味をもった理由です。」

（最初にサークルオーを知ってくださったのは、ICT教材を提供しているNPO法人eboad様からのご紹介だったとのことです）

▶︎サークルオーの利点はありますか？

お母さま：「学校の授業で追いつくのが大変だった分、分からないことを分からないと言って、その場で解決できる一対一の授業スタイルが、りなには合っていたようです。実は、高校通学に往復四時間かかるんですね。帰宅後、そこから塾に行くと疲れてしまいますし、オンラインで自宅学習できることは、本人もリラックスできますし、大きなメリットです。」

▶︎サークルオーに入るまでに悩んだ点はありましたか？

お母さま：「りなは難聴児で、口話教育でしたので、手話を使ったことがないけれど、申し込んで良いのかな？という点で躊躇していました。だけど、申し込んでみると、子どものコミュニケーションに合わせた授業をしてくださる先生たちがたくさんいらっしゃって、その中で、何名か希望に沿った先生との事前に面談をセットしてくれたことも、りなにとって良かったようです。“自分の声が伝わるのかな？自分の今の手話で伝わるのかな？”など不安があったようですが、面談を通して、まゆみ先生がいいと自分で選んでいました！」

英語検定準二級。目指すはその先。

▶サークルオーに入ってから、りなさんにどのような変化がありましたか？

お母さま：「まず、何より楽しんでいることが、表情が明るさから伝わってきますね！特に、手話でお話をするのが楽しいみたいです。サークルオーの授業は一回も休むことなく、どんな予定よりも優先させて“この日はまゆみ先生の授業だから”と言っています。

私自身、口話の方が伝えるスピードが速いので、手話で話し込めない時も。学校と家庭以外で、手話で思う存分お話できる、まゆみ先生は、本当にありがたい存在です。

英語の面では、高校2年生のレベルとされる英語検定準二級にも先日合格することができました。りなが“その次の2級も取ろうかな…”と自分から言っていて、その意欲にとっても驚きました！」

▶︎まゆみ先生は、お母さまにとってどんな存在ですか？

お母さま：「心から慕う理解者。頼りにしている、そして、信頼している大人。英語の先生でありながら、私たち親が与えてあげられない安らぎをりなに与えてくださっている方です。」

まゆみ先生よりコメント

まゆみ先生：「お母さまのお話を聞かせていただいて、本当に涙が出るほど嬉しく教師冥利に尽きます。私自身、子育て中なのですが、自分のスキルを活かせる時間がとても貴重ですし、りなさんが毎回お話を共有してくれることが何より楽しくて、幸せなんですよ。回を重ねるたびに、りなさんのお顔も明るくなるのも実感しています。授業の様子を日報としてお出ししているのですが、お母さまも、とてもよく読んでくださって、そばで寄り添ってくださっていることも、すごく嬉しく思います。」

▶︎サークルオー生りなさん（高校３年生）のインタビューに続きます

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